目次キーワード検索モバイルサイト
|
日本の大学教育日本の大学の成立と変遷
日本の大学教育大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的としている( 学校教育法第83条)。換言すれば、大学教育の目的とは、広範にわたる知識の獲得と諸分野の専門的な 教育研究を行うことで、拡大・深化した知見と柔軟な思考力を備えた知識人を育成することであるといえる。この目的に照らして、大学の内部は専門分野ごとに、 学部や 学科・課程などの教育研究組織に分かれている。教員と学生は、それら個々の教育研究組織に所属し、教育研究活動を行う。 大学院重点化大学では、教員は、学部の専任教員ではなく、 大学院の研究科の専任教員となる(学部については、兼務の一つとされる)。大学院の研究科に代えて、教員の所属(研究部)と学生の所属(教育部)を分けている大学もある( 研究部・教育部制度参照)。また、大学院のみの大学、 大学院大学も存在する。 なお、深く専門の学芸を教授研究し、職業又は実際生活に必要な能力を育成することを主な目的とする大学は、その修業年限を2年又は3年とし、 短期大学と称する(学校教育法第108条)。また、大学又は大学院に相当する教育を行うと認められ、その課程を修了すると学位の取得が可能(学校教育法第104条第4項2号)な文部科学省所管外の機関として 省庁大学校も存在する。
職業教育に絞った大学に準ずる高等教育機関を設置しようという動きもある。 中央教育審議会は、2009年6月22日、会議を開き、職業教育に絞った「新しい大学」を創設する方針を打ち出した。新大学の名称は「専門大学」、「職業大学」などが考えられている。「新しい大学」は実験や実習など仕事に直結する授業に重点を置くことが想定されている。しかし、「新しい大学」は大学や短大などと競合する場合もあり、反発が出る可能性もある。22日の会議でも「現行の大学にも多様性があり、議論は尽くされていない」との反対意見が出た cite news
入学者・受験資格日本においては入学者の経歴は形式上単一化している。それは、直接的には第2次大戦後教育制度を単線型にしたことによる。すなわち、 高等学校卒業が入学の条件となっている。 近年、文部科学省は中等教育の多様化を掲げ、中等教育学校という制度を発足させたが、大学入学者の経歴の多様化にはならない。これは社会制度上は、ある意味、近代日本における大学制度の本質である。それは、戦前の旧制度においても同様であり、帝国大学入学者は実質的にすべて旧制高等学校の卒業者であった。 大学入学資格をもつ者 以下の国内の教育課程を卒業・修了した者 以下の国外の教育課程を卒業・修了した者 以下の資格保有者 大学編入資格をもつ者 大学通信教育の課程では、入試がないことも多い(詳しくは 大学受験 の項を参照のこと)。
教育課程修業年限は4年で、最大8年を在籍できるとする大学が多い。また医学、歯学、獣医学、臨床薬学などの修業年限は6年で、この場合最長12年まで在籍できることが多い。つまり、最長修業年限を最短修業年限の2倍とする場合が多いのである。 修業年限が4年の場合は3年以上、修業年限が4年を超える学部の場合は3年以上で文部科学大臣の定める期間在学し、卒業の要件として定める単位を優秀な成績で修得したと認める場合は早期の卒業が認められている。( 学校教育法第89条) 多くの大学では 単位制を導入しており、進級、卒業するためには規定の単位の取得が必要である。単位は主に規定の点数を下回った場合には認められない。規定の単位には 文系では 卒業論文、 理系では 卒業研究が含まれることが多い。なお、 医学部、 歯学部、 獣医学部、 薬学部、 法学部については、国家試験合格が事実上の資格審査であるとして卒業論文を課さない大学も多い。また、 芸術学部、 建築学科などでは専攻により卒業論文に代えて 卒業制作、音楽学部では卒業演奏や卒業制作(作曲)に置き換えられていることもある。 大学を 卒業すると 学士の 学位が授与される。また、公的資格を所管する各省庁から認定を受けたカリキュラムを有する大学では、所定のカリキュラムを履修し単位を取得することにより、卒業時に公的資格を取得することができる(試験の一部免除や受験資格の付与、及び、実務年数要件の緩和も含む)。大学で取得できる公的資格として著名なものに 教員免許がある。 なお、学士取得者を主な対象とする発展的な教育研究の場として、 大学院を設けている大学が多い。また、学部を設置しない大学院のみの 大学院大学もある。
学生生活日本の大学(学部)の入学者は、18歳で 高等学校を卒業してすぐの者が大多数を占める。高等学校在学中に 大学受験に合格することを 現役合格といい、高等学校卒業後に大学入学を志願する者を 過年度生という。過年度生の多くは高等学校卒業後に大学に進学せず、大学受験に向けて専業的に学ぶ者(俗に 浪人生という)である。浪人生が、高校卒業の翌年に入学することを俗に1浪といい、2年後に入学した場合は2浪と、数が増えていく。いわゆる難関校や医学部・獣医学部・芸術系の学部には、2浪以上の者も珍しくない。過年度生を含む大学(学部)の進学率は、44.2%(平成17年度)となっている。また、過年度生には、浪人生以外にも、就職後に入学した者や( 社会人入学者と呼ぶ)、他の大学を卒業後や中退後や在学中に 再受験し入学し直す者(再受験生と呼ぶ)も含まれる。 逆に高校を2年で終え、3年目を飛び越して大学に入学する 飛び級、飛び入学のケースもあるが、日本では例外的な扱いとなっており、 千葉大学など一部の大学の一部の学部で限定的に実施されているのみで、このケースの入学者は極めて少ない。 学生生活は、 文系と理系 で大きく異なる。概して、文系は必修科目(卒業するために必ず取らなくてはならない科目)が少なく単位選択の自由度が高い上、教員から課される課題も多くはないため( 教養学部や 外国語学部のような例外もあるが)、単位取得のための受講と学習・研究に割く時間は理系に比べて少なく、留年するケースは比較的少ない。他方、理系は専攻の専門分化が厳密であることが多いため、必修科目が多く単位選択の自由度が低い。そしてその性質上、実験や演習が課されて拘束される時間が長く、それに伴って単位取得のための受講と学習・研究に要する時間が多くなりやすく、文系に比べると 留年する可能性が高い傾向にある(特に学生生活が長い医歯薬系はその傾向が高い)。 文系・理系の学生とも、余暇は 部活動や サークル活動に積極的に参加したり、 アルバイトで得た資金を元に 海外旅行に出かけたりするなど、様々な経験をしている。一部には、 ボランティア活動等の社会奉仕に関わった日数を換算して単位として認める大学もある。また、 司法試験などの 国家資格を得るために 専門学校等に並行して通う学生(いわゆる ダブル・スクール)も存在する。大学によっては 学生自治会などが設けられて相互扶助活動を行ない、これらの余暇活動を支援している。 大学や学部にもよるが、学部の1年次・2年次には、学問に共通の基礎的教養を学ぶ、いわゆる 教養科目が多く配当され、比較的時間に余裕があるため余暇活動にも勤しむ。3年次からは学部専門の領域を学ぶ、いわゆる 専門科目で占められることが多いため、学習と研究に要する時間も多くなる。また、3年次後半以降は、卒業後の進路を決めるための 就職活動に入り、卒業後に志望する企業やその業界の調査・研究・応募(エントリー)が本格化する。4年次に入る頃には企業の採用内定を確保する者も出始め、4年次の半ばにはほぼ就職活動も収束するケースが多い。これと相前後して、4年間の大学における学習と研究の成果を集成した卒業論文・卒業研究の立案・作成が始められる。多くの大学では、卒業論文・卒業研究が卒業の要件とされており、これを提出せず、または、提出しても基準に達していないと判定されると、卒業できず留年となる。ちなみに、留年には、この他、卒業要件となる単位の不足が原因となることや、あえて卒業を先延ばしする自主留年もある。自主留年の理由としては、 国家資格取得や大学院進学のための学習を続け、あるいは 就職活動を続けるのに都合が良いことなどがある。(後者については、2008年の 金融危機に起因する経済情勢の悪化を理由に採用内定を取り消された学生に対し、授業料免除の上で1年間の留年を認める大学も現れている) 医学部、 歯学部、 獣医学部、 薬学部といった医学系の学部では教育期間は6年間となる。1・2年次は教養科目、3・4年次は専門科目というのは基本的に他の学部と同じである(近年の医学知識増加に対応して、一部の大学では1年時から専門科目を学び始める)。5・6年次には臨床の場での経験によって、より専門的な知識を身に付けると同時に、6年次には資格を得るのに必要な国家試験の対策にも勤しむこととなる。 大学卒業後は、企業等に就職する者、大学院に進学する者、他の専攻分野に学士入学する者、専修学校等で資格取得のための学習を続ける者がいる。 。
教員大学教員としては、 教授、 准教授を必ず置かなければならず、必要に応じて 講師を置くことができる。いずれも自分の専門とする研究をしていることが条件である。 初等教育、 中等教育などのような 教員免許状は存在しない。多くの教員が、 修士や 博士の学位を持っている。また、他の大学を掛け持ちして教鞭を執る教員や、授業単位で学期ごとに大学と契約する非常勤講師(大学によって兼任講師、嘱託講師などの名称を用いる場合もある)といわれるシステムを採用している大学もある。 教員組織は 学校教育法(昭和22年法律第26号)の第93条の規定に基づいて、どの大学にも重要な教育事項等を審議するために 教授会が置かれる。教授会は学部や研究科毎に置かれることが多い。また、学問毎に更に細かい組織が主に学部の学科や大学院の研究科の専攻に置かれている。伝統的に 講座制と学科目制がある。講座制は教員が階級関係であり、学科目制は緩やかな連合関係である。
情報公開主な開示情報:研究概要・カリキュラムやシラバス・教員や学生数・入試状況(学科の応募状況・実質倍率・入学者数など)・学費・進路状況(就職・大学院等進学など)・機構や組織・財務状況・外部評価 など。 |