アート・ロック

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アート・ロック

アート・ロックは、主に 1960年代後半に活躍した特定の要素を持つ ロック・バンドや、その作品を分類した言葉。日本のレコード会社が分類のために使い出したと言われている。ほぼ同時期に ニュー・ロックという言葉が生まれており、アート・ロックと似た様な意味で用いられる場合が多い。

ベトナム戦争やテレビの普及などで、1960年代のアメリカやイギリスに、かなり劇的な価値観の変化が起こり、それは音楽にも波及した。シングル・ヒットを生み出すことが作品を作る上で最も重要だった ポピュラー音楽に状況の変化が起こり、アルバムの方をより重視するバンドの存在が際立ってきた。アルバム重視ゆえ、ラジオにかけるのに都合の良い演奏時間の制限を無視することができ、編曲などにも今までにない要素を持ち込むミュージシャンが多数登場しはじめた。

この傾向のけん引役となった代表的なミュージシャンとして、 クリームジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスピンク・フロイドヴァニラ・ファッジレッド・ツェッペリンなどが挙げられる。特にレッド・ツェッペリンはシングルをイギリスでは発売しなかった。それまでヒットチャート重視だったポップバンドの中にも、早くからその傾向が表れた例がある。例えば ビートルズは、それまでのアルバムがシングル・ヒットを寄せ集めたものが主体だったのに対し、1967年に、「 サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」という、アルバムに収録することを前提とした曲が多いアルバムを発表した。ヒット・シングルを重視しなかったサージェント・ペパーズは当初ヒット・チャートから冷遇されたが、後にビートルズの最高傑作とさえ評されるようになった。

ジョン・ロードがサウンドの主導権を握っていた、初期の ディープ・パープルもアート・ロックの範疇にあるとされていた。現在『 ディープ・パープル III』となっているアルバムの初期の邦題が『素晴らしきアート・ロックの世界』だったことからも明らかである。当時の所属レコード会社の意向もあり、ヴァニラ・ファッジを念頭に置いた音作りをしていたとされている。

こういった傾向の音楽を聴いた側が、「娯楽性」と同等もしくはそれ以上に「芸術性」が強いと感じ、それゆえ「アート」という言葉につながったのではないかと考えられる。

また、この傾向は1970年代に入ってさらに強まり、特に「 プログレッシブ・ロック」と称される分野に受け継がれた。

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』